グリーンブック_後編

ノンフィクション

2018年アカデミー賞作品賞含む3部門受賞!

ガサツなイタリア系用心棒トニーと、カーネギーホールに住む天才黒人ピアニストDr.シャーリーの 織り成す道中劇。

差別の色濃いアメリカ南部が二人を待ち受ける・・

ネタバレあり感想レビュー記事後編です!

 

   




  

根強い差別

トニーとシャーリーのアメリカ南部への旅は続く。

各地でシャーリーのコンサートを開きながら。

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しかし、南部へ進むにつれて黒人・・シャーリーへの差別は酷くなっていった。

  

レストランの店員「当店では黒人のお客様には別のお手洗いを使って頂いております」

店員の指し示す方には屋外の小汚いトイレ。

  

その他にも、スーツ屋で試着をしようとしたシャーリーを店員がとがめたりすることもあった。

     

道中、トニーは愛する妻へ手紙を書くことも忘れない。

トニ-「Deer.ドロレス・・・アイロンを置いてきたのが泣ける」

シャーリー「何が言いたい?」

トニー「彼女に会いたい」

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シャーリー「こう書くんだ」

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シャーリー「君を想うとアイオアの平野を思い浮かべる」

シャーリー「君のいない時間は意味がない」

トニー「すげぇロマンチック!」

  

手紙の内容は、トニーの妻の心を打つ。

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ある夜、トニーとシャーリーは別の宿へ泊まっていた。

警察署で留置されているとの便りがはいった。

警察署にたどり着いたトニーが見たものは---

--- 全裸で留置されたシャーリーと見ず知らずの白人。

 

シャーリー「今夜のことは知られたくなかった」

シャーリー「君はこの旅で私のために尽力してくれた。君を正式なマネージャとして雇いたい」

トニーのトラブル対応能力をかったのか、旅先の不安からか、シャーリーはトニーに頼むのだった。

 

トニー「ニューヨークのバーで働いていたから知っている。この世は複雑だ」

以前より距離の縮まった二人は、ロビーでグラスを交わしながら、音楽談義に花を咲かせた。

  

雨降る中。次のコンサート会場へトニーとシャーリーは向かった。

彼らは1台のパトカーに足止めされる。

警官「この州では、黒人の夜の外出は禁止されているんだが?」

トニーは無理矢理車から降ろされ、身分証を調べられる。

警官「イタリア出身?それでアイツ(シャーリー)なんざに仕えていたんだな」

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ドガッ!!! 
警官を殴打するトニー!

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二人は警察署に拘留されてしまう。

   




   

 

最後のコンサート

シャーリーの知人の力を得て、警察書から開放されたトニーとシャーリー。

シャーリー「殴って何の得が??暴力は敗北だ!」

 

シャーリーは日頃の想いが爆発する。

 

シャーリ-「私への蔑視は耐えてみせる」

シャーリー「私は黒人でもない。ましてや白人ではない。私はいったい何なのだ!」

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友人くん
どういうことだ?
えい
ただしく理解出来ているかわからないけど・・

 

当時米国では当時、黒人も裕福な人であれば車を所有するようになっていましたが、車で旅行する黒人(非白人)は、人種隔離政策(各人種は平等だが入り交じるべきではないという方針)の影響もあり、次のような不都合に直面していました。

  1. 食事や宿の提供を断られる
  2. 自動車を修理してもらえない
  3. 給油を断られる
  4. 暴力を振るわれる
  5. 白人しか住まない町から追い出される
  6. 警察に逮捕されやすい

  

えい
こういう背景を踏まえて、「黒人でも白人でもない」と言ったのかもしれないね
友人くん
なるほどなぁ・・

 

えい
この訴えを聞いて心を動かされたのか、トニーはグリーンブックに載っている(有色人種用)宿に、シャーリーと一緒に泊まったよ
友人くん
黒人嫌いだったトニーがなあ・・

 

最後の宿で、トニーは妻へ手紙を書く。

シャーリーの力を借りずに書けるほどに成長していた。

 

トニー「今まで、手紙を書くのを手伝ってくれてありがとう」

トニー「帰ったら、あんたも久しく会ってない兄さんに手紙を書いたら?」

トニー「寂しいときは、先に手を打つんだよ」

 

そして最後のイベントがおこなわれる会場へ。

会場のレストランで食事をとろうとするトニーとシャーリー。

しかし、シャーリーは黒人であるという理由で入店を拒否されてしまう。

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トニー「皆食っているのに、VIPの彼は食えないのか?」

会場支配人「規則ですので」

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トニー「ここのパンは石みたいだ。外のレストランへ行こう」

シャーリー「ここで食べられないなら、ここでの演奏は断らせてもらう」

トニー・会場支配人「!?!?」

シャーリーとトニーは契約を無視し、コンサート会場を去る。

   

南部のとある酒場。

そこでは色々な人種の人間がめいめい気ままに酒を飲んでいた。

ピアノもある。

シャーリーが有名なピアニストだということを自慢したかったトニーは、バーのマスターにこう言った。

 

トニー「お前がだれか言ってやれよ」

バーのマスター「言わないで」

マスターはピアノを指して言った。

バーのマスター「聞かせて?」

 

スタンウェイ(高級ピアノ)しか弾いてこなかったシャーリーだったが、文句ひとつ言わずにバーのピアノの前に腰かけた。

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トニーはもちろん、シャーリーもこの旅で変わっていったのかもしれない。

シャーリーの独演会が幕を開ける。

  




   

クリスマス

コンサートの全日程を終えたシャーリーは、トニーとともにニューヨークへ向かっていた。

雪の降る道で、二人の乗った車はまたもや警察に止められる。

 

また因縁をつけられるのか・・・?

 

そう構えたトニーだったが、、

 

警察官「お前らの車、傾いてるぞ」

警察官「左の後輪、パンクしてないか?」

 

ホッとするトニー。

雪の中の運転であることも原因で、トニーは深い眠りに落ちてしまう。

代わりに運転を引き受けたのは、ほかならぬシャーリーだった。

トニーを、自宅のクリスマスパーティに間に合わせるために運転を引き受けたのだ。

  

トニーを家まで送るシャーリー。

トニー「せっかくだ。家族に会っていってくれよ」

シャーリー「いや、私はいいよ」

 

シャーリーも事務所へ戻る。

 

トニーの自宅では、クリスマスパーティが始まろうとしていた。

 

トニーの親族のおっさん「ニガー(黒人)のおもりは大変だったか??」

トニー「そう呼ぶのはよせ」

二人で過ごした旅は、トニーの心をすっかり入れ替えさせていた。

  

トニー宅のクリスマスパーティは近所の住民も加わり、盛り上がっていく。

その中で、トニー宅のチャイムが鳴る。

ドアを開けるとそこには―――

 

―――シャーリーがいた。

 

喜んでシャーリーを家族へ紹介するトニー。

 

シャーリーは旅の初めに、トニー妻へ電話を掛けたことを思い出していた。

『 旦那さんを2週間も留守にさせて大丈夫ですか? 』と。

シャーリーはトニー妻に話しかける。

 

シャーリー「ご主人を返したよ」

 

トニーの妻は優しく、シャーリーを抱擁しこう言った。

トニー妻「・・・手紙をありがとう」

 

全てをお見通しで、差別なく自分を受け入れてくれたトニーの妻に、シャーリはニコっと笑った。

 

2013年。

数か月の差で、 トニー・ヴァレロンガとドン・シャーリー はこの世を去る。

彼らは死ぬまで友人付き合いを続けていたという。

 

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トニー・ヴァレロンガとドン・シャーリー
トニー・ヴァレロンガとドン・シャーリー

 

おしまい


コメント

  1. kappa より:

    すごく観たくなりました
    娘が良い映画だよと言っていたけど納得です!
    ありがとうございます

    • kickhopper4869 より:

      なんと!
      映画記事も読んでくださったのですね!
      ありがとうございました

  2. la8oix Wow, fantastic blog layout! How long have you been blogging for? you make blogging look easy. The overall look of your web site is great, let alone the content!

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