2024年1月21日に立川で開催された【映画BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-】谷口悟朗監督ティーチインイベントに参戦!監督の語る驚きの裏話をまとめてみました!
谷口悟朗監督ティーチイン付き上映会に参戦!【映画BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-】
谷口悟朗監督ティーチイン付き上映会に行ってみた!
【立川/ティーチイン付き上映会 実施概要】
◆日時:2024年1月21日(日) 15:50の回(上映後の登壇)
◆会場:立川シネマシティ シネマ・ワン/hスタジオ
◆登壇者:フジテレビ森プロデューサ(司会)
谷口悟朗(監督)
野地弘納(色彩設計・色指定)
上映会内容まとめ【映画BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-】谷口悟朗監督ティーチイン
Q.色設計・色指定とは?
A.【野地】キャラの色やシーンの”色替え”を行う。色に関するすべてを担当する ※以降敬称略
Q.監督による色オーダーは?
A.【谷口】TVキャラの色はそうとっかえしてもいいと指示した。ティール&オレンジ(※)を魅せたかった。
※寒色系をティール色(青緑)に、暖色系を肌の発色を表現
ティール&オレンジは日本アニメではあまり採用していない。アニメ雑誌Newtypeのイラストで採用していたが、読者の理解が得られなかった。日本はレンブラント照明(※)が多い。
※ポートトレイト写真などで使われる照明表現。照明と反対側の側面に影ができる(照明と反対側の頬に生じる逆三角形のハイライトが特徴の影のつけ方)
本作ではティール&オレンジをせっかくなのでやってみた。
A.【野地】本編全部”色替え”を行っている。TVシリーズ(エスタブライフ)は標準色(ノーマル色)。色替えしているので、色替え前の誰も観ることのない[表の色]がある。
Q.TVシリーズ(エスタブライフ)に逃がし屋が登場しているが、映画で色替えされた理由は?
A.【谷口】TVシリーズにおける逃がし屋は主役としての配色。そのまま映画になると、主役じゃない人が”主役の色”になってしまう。
A.【野地】TVシリーズでは可愛らしい色、劇場用には何パターンか作って、監督のアイディアを入れた色にした。
Q.アルガ(逃がし屋のAIロボット)の色がTVシリーズに比べて変化している。
A.【野地】古くしたいというイメージ。もっと汚く、もっと古くと監督に言われて何度か変更した。経年劣化・壊れたロボットにあう色となった。
A.【谷口】速水奨さんの声に華があるので、暗い色に色替えしてもキャラとしてあがる。
Q.ヤクザのヤオハチの顔色がTVシリーズから変わっている?
A.【野地】服の色の変化は役職があがったという意味。顔の色の変化はお酒を飲みまくって肝臓をやってしまって悪くなっている。
A.【野地】キャラの性格、過程の説明情報をもらって色を決めている。
A.【谷口】キャラクターの色は2つの観点から決めている。
1.キャラクター考案する過程での色選定
2.話としての役割としての色を選定
両方をセットとして考えることが監督の役割。
C.【野地】監督には色を好きに入れてくれと言われた。
C.【谷口】仮に漫画家やデザイナーが色を決めたからと言ってそれは映画をつくるにあたって無視していい。色を決めてきたからと言って、彼らは作品(映画)に責任をとることはない。作品でそれを伝えたかった。
Q.ノノック・ララック(二重人格キャラ)の色選定について。
A.【野地】髪の色を左と右で分けて2色にしようと作ったが、二重人格としって左右の髪色を統一した。髪留めだけが左右非対称の色となっている。
Q.ザンザ・ゼッシュの色選定について
A.【野地】金角・銀角、風神・雷神のイメージ。ゼッシュを緑の肌にしたので、ザンザを反対色の紫に決めた。
A.【谷口】(野地さん案に対して)特に反対意見は挙げなかった。
観客によるQA【映画BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-】谷口悟朗監督ティーチイン
Q.作曲家を中川さんにした理由は?
A.【谷口】作曲家は3名ほど候補はあった(※)。音の厚みやイメージを考えて、中川さんにお願いした。巨匠になりつつあるのでお願いしにくくなっている面はあるが(笑)、隙間のタイミングがあったのでお願いできた。
※お名前を挙げてくださいましたが、控えられず(涙)
Q. 映画本編をみて、マッドマックスなどの映画のイメージを受けたが、影響を受けている映画はある?
A.【谷口】マッドマックスの影響を受けている面はあるかも。あえて挙げるなら”新幹線大爆発”や”激突!”など。ホラームービーやディザスタームービーにあうイメージの音楽を発注した。
Q.”クラスタ”の発想原点は?
A.【谷口】エスタブライフ橋本監督と、実在の街のイメージを挙げていって、共通項を探した。たとえば秋葉原なら「万世」だったり。世代で大きく変わると思う。スタッフにお願いしたのは、【全裸監督を観ること】。登場する新宿の猥雑さをイメージしてもらいたかった。お台場クラスタで箇条表現しても、フジテレビ(※)に許してもらえると思った。
※エスタブライフの放送局
Q.キサラギのトンずらダンスが観たい。映画ブルーレイ特典に入ったりしないか。
A.【谷口】やりません。TVシリーズから時間が経過した世界で、トンずらダンスがあるかなどはあえてグレーにしている。それを「ある」と断定してしまうことは、映画の楽しみ方とずれる。キサラギの声優 小野友樹氏にトンずらダンスを踊ってもらうように頼んでもらってもよいです(笑)
Q.キサラギの顔の傷が場面によって色が変わっている意味とは?
A.【谷口】心拍数で傷の色が変化している。キサラギの不完全さを表現したかった。
Q.本編に”多摩クリフ”が登場した。谷口監督は”立川断層”はご存知?
※ティーチインイベントは立川の映画館で開催
A.立川断層は知っているが、映画に登場する場所が明確にこの土地とは言いたくなかった。実在の場所の想像ができるようにはネタを仕込んだ。ただし映画に登場する場所は、あくまで実験地域の東京。わざと現実とは変えている面も多い。
撮影タイム【映画BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-】谷口悟朗監督ティーチイン
ラストは撮影タイム!!
谷口悟朗監督(左)と野地弘納さん
ティーチインイベントは谷口悟朗監督の「映画が好きな人向けに作った。こういうアニメ映画があってもいいじゃん」という言葉で締めくくられました。
いい言葉ですね・・・
続編にも期待!!!
2/2追記 新宿で開催された舞台挨拶付き上映会まとめ
おしまい
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