2023年7月に公開された実在するミニシアターをモチーフにした映画『THEATERS』!4つの作品から成るオムニバス映画のストーリーをご紹介。実在のミニシアターをどう映画の内容にからめとったのか?
映画THEATERSネタバレ感想!この映画を観た人はミニシアターに行きたくなる・・・のか?
映画THEATERSとは?
「報復 かえし」の山口雄也、「スモーキング・エイリアンズ」の中村公彦、「生きててよかった」の鈴木太一、「ある役者達の風景」の沖正人という4人の監督が、「映画館」をテーマに制作したオムニバス(映画.comより)
・深谷シネマ(埼玉県深谷市)
・シネマ・ジャック&ベティ(神奈川県横浜市)
・横川シネマ(広島県広島市)
・御成座(秋田県大館市)
銀幕エレジー(深谷シネマ / 埼玉)
一発目からとんでもない設定の映画が来た!・・・という感想。
深谷シネマの長女は映画館で育ってきた。
長女は地元の大富豪御曹司と結婚して妊娠してますが、サイコパスDV旦那に愛想を尽かし、トラックの長距離運転手と浮気。
深谷シネマの家族たちが長女の味方をするかというと、旦那の金目当てなので誰も娘の味方をしない状況。
…盛りだくさんですね笑
コレに加えて、深谷シネマ管理人の老婆殺人未遂設定までありました。
しかも話の本筋に関係ないという笑
そんな深谷シネマの長女は、家族のはからいで自宅(深谷シネマ)で映画を見せてもらえることに。
一人映画を見る主人公。
すると、腹の中の子どもと会話する謎能力が発動!
子どもと相談し、シアター裏口から抜け出すことを決意する長女。
長女「どこか別の街へ行く!! 勿論映画館のある街な!」
と荷物無しで自転車で逃避行。
一方深谷シネマでは、傍若無人な旦那の行動に遂にキレた深谷シネマの支配人(主人公の父)が主人公の旦那をコンクリブロックで頭を殴りつけようとしていた!
…この映画、深谷シネマサイドはよく上映許可を与えたなぁ(感心)
自分が管理人なら脚本叩きつけてるわ(笑)
主人公の深谷シネマ長女を演じるのは、矢作穂香さん!
仮面ライダーOOOでメズールを演じた方です。
すごくキレイになられてますね。
妹を演じた鈴原ゆりあさんも可愛くて、美人姉妹です。
お二人を観に映画館へ向かうのもいいかも(おい)
シネマコンプレックス(シネマ・ジャックアンドベティ / 神奈川)
シネマ・ジャックアンドベティは、力こぶを見せると映画が割引になる「力こぶ割引」など、変わり種の割引サービスを催す映画館。
映画を見終わった後に映画館公式HPを見たけど、普通の割引サービスしかなかったですが笑
平穏な映画館に、ポテチを喰いながらひとりのおじさん登場。
上映時間1時間前に来館したおじさんは、シアターに客がいないなら途中から映画をながして欲しいと笑いながら要求。
こういう何しでかすか分からないタイプのおじさんは下手なホラーより怖いですね(笑)
一方、とある事務所では とある映画の監督とプロデューサーが喧嘩の真っ最中。
主演俳優が不倫騒ぎをやらかしてしまったことで映画がお蔵入りしたことが発端で喧嘩が始まってしまったようです。
銃でプロデューサーを脅迫して200万を盗み去って行く映画監督。
なんでもヤクザ映画を撮ってる監督は反社とも繋がりができるらしい。
すごいぞ、映画界(笑)
監督と騒ぎに巻き込まれたマネージャはシネマ・ジャックアンドベティにやってきます。
公開されることのなくなった自分の作品を映画館でながすために。
シネマ・ジャックアンドベティ管理人に、映画館で自分の制作した映画を流せと強迫する監督。
やべー客ばかりで同情しますね(笑)
監督が割り込みでながした映画は、先にシアターで映画を観ていたおじさんをも感動させます。そしてかつて監督と会ったことがあるという映画館支配人は、昔を懐かしみ、そして映画を褒めます。
いい話で終わる…
とおもいきや、なぜか監督はキチゲ解放!
持っていた銃を発砲し、スクリーンが被弾してしまいます。
いつの間にかシアターに隠れていた神奈川県警に連行されていきます。
神奈川県警がこんなに優秀だったなんて…笑
被弾したスクリーンは、監督がプロデューサー事務所からかっぱらってきた200万で修理されるとのこと。
200万は未払いだった給料だからセーフということですが…
まあ映画界だからセーフなのか(笑)
俺と映画と、ある女 (横川シネマ / 広島)
広島県の横川シネマで自分の作品を上映する監督。
横川シネマ支配人とも仲良くなるも、支配人は亡くなってしまいます。
葬儀で支配人の娘と再会、酔いの回っていた娘は監督とその夜情事。
朝になってその事を忘れている娘。
監督もいったんはその夜のことをなかったコトにしますが、娘の引っ越しを知って、一緒に横川シネマを継ごうとプロポーズをします。
しかし横川シネマは一人で継いでくれとプロポーズは断られる監督。
振られた監督は、「俺の童貞を奪いやがって!あんたは誰とでも寝るのか!」とキチゲ発動。
結局監督は娘を止められず、支配人娘去って行きます。
しかし娘は相手が誰とでも良かったわけではなく、実は監督の映画見たことありました、ってオチ。
エンディングでは監督(モデルとなった本人)の写真が流れまくって、「この作品の半分は本当です」とテロップ。
まあ、正直フィクションかノンフィクションかは、どうでもいいです(笑
colorful(御成座 / 秋田)
東京で暮らす父と母、そして幼い息子の3人家族。
幸せな家族でしたが、不幸な交通事故が父母の命を奪い、少年(息子)はひとりぼっちになってしまいます。
少年は色盲。
少年には、秋田に住む母方の伯母夫婦がいました。
少年を引き取ることにのらりくらりと難色を示す伯母の旦那。伯母は真っ向からその態度を非難、旦那に激昂します。
ああ、少年は伯母夫婦に引き取られて、幸せに暮らすのだなぁ。
とおもいきや、伯母が少年を児童養護施設に連行する展開が始まります。
旦那をボロクソ言うだけ言っといて、結局少年を引き取らんのかい(笑)
少年と伯母は施設へ向かう中で立ち寄ったのは、秋田にあるミニシアター御成座。
外には、トムとジェリーの大きな手書き看板が飾られています。
御成座支配人(渡辺哲)の心遣いによって、映画を観る少年と伯母。
全てがモノクロに映っていた少年は、トムとジェリーをみて その光景に色が宿っていきます。
作品タイトルが「colorful」なので、美しいタイトル回収ですね。
伯母は御成座でずっと寝てましたが(笑)
少年のために、旦那をボロクソいった伯母はいずこに・・
伯母と少年は、御成座のさらなる粋な計らいによって映画館スタッフに施設まで送っていって貰えることに。
すげーな、御成座、いい人だ渡辺哲(笑)
御成座の社用車で、少年と伯母は施設へ向かいます。
ふと疑問におもったことをぽろりと口にする伯母。
伯母 「御成座って潰れたはずじゃ」
スタッフ「黙ってろ、舌噛むぞ」
なかなか失礼だぞ、伯母!(笑)
施設についた少年は、施設の子とすぐ仲良くなれてよかったです。
最後に気になったことを1つ。
スタッフロールの最後に、トムとジェリーの看板を飾った御成座が映り、その後看板が消えていったのですが、これは劇中では御成座は潰れていて少年のために幻の御成座が復活したという意味なんでしょうか。
こちらの「colorful」は、御成座で生息していたてっぴー(うさぎ)出演したり、他の3作品と異なってミニシアター上映室まで登場させたりとミニシアターの魅力を少しでも多く伝えようとしていた感を受けました。
視覚的に満足できる作品なので、劇場で是非。
まとめ:THEATERS感想
THEATERS舞台挨拶(2023/7/23)
おしまい
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