REVOLUTION+1【2022年最大の問題作をネタバレレビュー】

映画

2022年最大の問題作【REVOLUTION+1】を監督インタビュー付きで鑑賞しました。安倍晋三元総理銃撃事件の容疑者とされる男をモデルにしたフィクション作品で、山上容疑者の半生を描く。果たして映画が伝えたかったものはなんだったのか?REVOLUTION+1をネタバレレビュー。




REVOLUTION+1【ネタバレレビュー】

一国の首相が殺害されたにも関わらず、宗教団体の名前すら報道されない―――

そんな事態を共同通信記者が監督へ訴えかけたことから映画製作がスタートしたというこの映画(監督登壇インタビューより)。
事件直後の短期間での映画撮影。監督は「映画を観て【再現VTRくらいの出来だ】とおもう人も居るかもしれないが、映画以上の情報は裁判が始まらない限りは集まらないだろう」とも仰っていました。果たしてどんな映画だったのか。

REVOLUTION+1【ネタバレ】

映画は安倍元総理の襲撃事件映像(実際の映像)から始まります。。。

映像の後は、事件をおかして勾留された川上(仮名)のひとり語りから回想開始。

(脱線ですが全編通して雨のシーンが多いですね。留置所の中でも足が水に浸かるほど雨降ってたし)

父親の死を契機に宗教団体へ傾倒していく川上母親。

宗教団体の名前は統一教会。映画を見る前は宗教団体には触れられないのかとおもっていましたが、それどころかガンガン名前出てます。うっすら顔にモザイク入った統一教会トップの写真も登場(笑)。安倍さんだけが悪役にされる極左映画ではなくちょっと安心。

母親の統一教会への献金は続きます。献金のため、息子(主人公川上と兄)と娘の食事すらままならないほど。

家族は崩壊状態となり、川上兄は統一教会へ刃物持ってカチコミに行きます。しかし捕まってしまう。勾留の中、裂いた布団のシーツをつかって命を立つ川上兄。。

川上自身も25歳のときに服毒自殺をはかります。

しかし自身で救急車を呼ぶことができ、入院。

入院の中で女性と出会います(ここら辺はフィクションでしょうか)。川上と同じく、自身も宗教二世という女性。

自分たちの存在意義を見失いかけているという二人。
そんな二人に共通点。

それは、ふたりに力を与えて来たのは、ミュージシャンTHE BLUE HEARTSだということ。
未来は僕等の手の中」をアカペラで歌う女性。

♪僕らは負けるために〜
♪生まれてきたわけじゃないよ~
♪僕等は負けるために〜
♪生まれてきたわけじゃないよ~~

・・・逆境無頼カイジかよ。

カイジ

勝たなきゃ、ゴミ・・・ッ!!!

ちなみにエンディングみたけどブルーハーツの名前は載ってませんでした。大丈夫か?(笑)

なお川上はブルーハーツを歌い終わった女性に「抱いてもいいよ?」と言われますが、動揺することもなく断ります。
なぜ・・・っ!!

抱かなきゃ・・・ゴミ・・・っ!!

統一教会への怒りを積もらせていく川上。その矛先は、統一教会だけでなく安倍総理にも向いていきます。安倍総理は統一教会の広告塔として活動してきたという川上。

岸信介元総理(安倍総理)の写真も登場。安倍総理は総理の孫として生まれただけで良い思いをしている。なんと自分(川上)と対極的であることか!

朝鮮戦争で日本に迫害された報いを与えるため、統一教会は日本を宗教で洗脳しようとしている!!なぜ韓国嫌いなはずのネトウヨは、自民党を推すのか?これもひとえに安倍総理が統一教会による日本の支配を助長しているのではないか?

銃を開発する川上。

ひょんなことからアパート隣人の女性と話す機会もできました。自身を革命家二世(親が革命家)という女性。心を開きかけたのか、自分が銃を作っていることを打ち明ける川上。しかし途中で自戒し、話すことをやめてしまいます。気を使ってくれた革命家二世は、近々行われる革命家二世たちのパーティへ川上を招待してくれます(どんなパーティやねん)。しかし自分の殻にこもった川上はパーティに参加せず。

銃を完成させ、草藪の中で射撃練習をする川上。ターゲットは統一教会のおばはんの写真と安倍総理の写真です。統一教会のおばはん写真は執拗な銃撃をくらい、目の部分に穴が空いているのでモザイク要らずな状態になっています

銃撃事件へ臨む覚悟を決めていく川上。そんな中であるニュースが飛び込んできます。

安倍総理の遊説場所が奈良県に変更された―――

奇しくもその場所は川上が育った街。運命を感じる川上・・・




銃撃事件の前、川上は妹の元へ向かいます。急に呼び出されたことに若干怒っている妹に対して、「おまえには女という武器がある」「お前は伯父に育ててもらっている」などと恨み節しか言えずに終わる川上。なんJ民(2ちゃんねらー)ぽいですね。

内容を言わずに「自分は大きなことを成し遂げる」とだけ妹に意味深に告げる川上。

その後川上はなけなしの金を使って、トヨタレンタリースで車を拝借。母親が暮らしている施設を探訪します。

落ち葉を掃除している川上の母親。川上は母親のもとへ寄り添い、ほうきをそっと取り上げます。

川上「俺がやるから休んでろよ」
川上「この後何か食べに行こう」
母親「けどお金が、、」
川上「それくらいはあるって」
川上「けど韓国料理以外でな笑」
母親「笑」

談笑する二人。
しかし、それは川上の思い描いた幻。ありえたかもしれない未来。

現実の川上は母を遠目にみるだけで声をかけることをせず、去っていきます。

そして迎えた事件の日。

駅から離れたトタン製の小屋の隅に隠れて落ち着きなく小忙しく動く川上。

時間が流れ、遠くから安倍総理の演説の声が流れてきます。

川上は安倍総理の元へ向かい―――
(事件の報道映像が入る)

逮捕される川上。

ラストはイマジナリー恐山に足を運び、亡くなった兄と対話する川上。その後胎児のようなポーズとって終わり。

  

REVOLUTION+1【感想】

映画が公開される前、テロリストを正当化しているとしてSNSでは炎上がおきました。私もドン引きしたクチでしたが、実際に映画を観ると、客観的に容疑者を描こうとしているとは感じました。諸悪の根源は宗教団体にあるという点は映画で触れられることはないだろうとおもっていましたし。まあ事件後の妹が兄の罪を不自然に肯定していたり、「ん?」と感じたりするところもありましたが・・・

2022年7月に起きた事件を9月に映画化、そして完全版を12月公開という異例のスピード公開された本作。これもあたらしい報道の形なのか。

   

おしまい




コメント

タイトルとURLをコピーしました