【感想ネタバレ】アリスとテレスのまぼろし工場【摩訶不思議映画】

映画

【あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。】の脚本を担当した岡田麿里氏が監督・脚本を担当した【アリスとテレスのまぼろし工場】をネタバレレビュー!衰退的な世界で主人公の出した決断と衝撃のエンディングに泣きました…




【感想ネタバレ】アリスとテレスのまぼろし工場

【感想レビュー】アリスとテレスのまぼろし工場

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」脚本で有名な岡田麿里氏が脚本・監督、「この世界の片隅に」のMAPPAがアニメ製作をおこなった【アリスとテレスのまぼろし工場】!

…スゴかったです。

正直予告を見ただけでは主人公の男子中学生と謎の少女の単なるボーイ・ミーツ・ガール作品かと思ってましたが、予想の範疇にはまったく留まりませんでした。

工場地帯でどこか荒廃的な世界で暮らす主人公たち。

なにか秘密がありそうな街で、主人公は同級生の女の子と、謎の少女に出会います。

ミステリアス感のあるストーリー!世界の終焉へと向かっていく寂寥感…

摩訶不思議な工場の美しく幻想的でそしてこの先決して再興することのない情景。

中島みゆき氏の歌詞もいい!「未来へ、未来へとは、君だけで行け」という歌詞を本編の展開を見たあとに聞くと、歌唱力とあわせてずっしりと重みを感じるのです。

  

【ネタバレ】アリスとテレスのまぼろし工場

えい
ここからはアリスとテレスのまぼろし工場のネタバレです

1991年冬。
主人公は中学生の少年正宗。

アリスとテレスのまぼろし工場の正宗
正宗

男友達3人と遠くで爆発する製鉄所を目撃。その瞬間、同じ場所にいるのに違う場所にいるかのような感覚に襲われます。爆発の後、空がヒビ割れ、龍のような煙が空に出来たヒビを塞いでいく光景を目撃する正宗たち。

工場地帯のある見伏市で暮らす主人公正宗。同級生の女子中学生はブルマ姿で体育をやってます。1991年にはまだブルマだっただと!?(笑)

平穏な日常のなか、正宗のクラスの少女の上履きが盗まれる事件が発生。その事件をきっかけに、佐上睦実という女子中学生が正宗にちょっかいをかけるようになります。

アリスとテレスのまぼろし工場の睦美
睦美

佐上の父親は製鉄所の責任者の模様。佐上父によると見伏市は神のたたりにより、「終わりが見えない冬」という同じ季節を何度も繰り返しているらしい。同じ季節を繰り返すので、街の人間は年をとらず、正宗も永遠の14歳状態。

正宗の暮らす見伏市では、世界が戻ったときのために、以前の自分と変わっていない「自分確認表」たるものを使って時折自我を確認しているようです。

街の人間が突然失踪することもあるという見伏市。正宗の父親も、夜勤に行ったっきり消息を絶っていました。

そんな正宗はとある日、睦美と忍び込んだ工場で囚われの少女と出会います。

アリスとテレスのまぼろし工場の五実(いつみ)
いつみ

睦美が面倒を見ているという少女。正宗の外見が女っぽいという理由だけで、正宗に少女の面倒を見る手伝いを頼む睦美。「外に出しちゃいけない子」と呼ばれる少女は、言葉も十分には喋れない模様。

少女に「いつみ」と名前をつける正宗。いつみは次第に正宗に懐いていきます。いつみの容姿が睦美に似ていることを不思議に思う正宗。




かんざりトンネル。

正宗のグループはそこで肝試しをすることに。男4人、女4人でトンネルへ。その中には睦美も含まれていました。
二人ずつトンネルの中へ入る肝試しをすることになりましたが、正宗とともにトンネルの中に入った少女はなんと肝試し中に正宗への告白を決行!

しかしその様子を他のメンバーに見られてからかわれてしまいます。

少女「恥ずかしくて逃げたいよ。好きな気持ちが【見世物】になった、、」

すると少女の体にヒビが入り、工場から生まれた煙の狼が少女のもとへ訪れ、少女を飲み込んでしまいます。

アリスとテレスのまぼろし工場のワンシーン(ひびの入った少女)

空にもヒビが・・・煙の狼は空のヒビを修復し、消えていきます。

狼の形をした煙を、神機狼(しんきろう)と名付けた佐上睦美の父。

町の人間に演説します。

佐上父「私達は運命共同体です」

佐上父「同じ世界で同じ苦痛を味わっています。だから逃げようなんて考えてはいけないのです」




いつみの居場所へやってきた正宗。「好き」とは何かという話になり、

正宗「俺の好きって気持ちは大嫌いって気持ちとすごく近くて…」

暗い表情をみせる正宗の頬を舐めるいつみ。そこにやってきた睦美はブチ切れ!

睦美「なにしてんの、やっぱオメェ オスかよ!!」

佐上父も登場。睦美といつみを連れて逃げ出す正宗。逃げた先の製鉄所の空にひび割れが発生します。ひび割れの向こうにみえたのは正宗の住む世界とは別の世界。

家に帰った正宗は製鉄所で勤務する叔父に話を聞きます。割れた空の向こうにあるのは、「現実の世界」。。。

なんと正宗の暮らす世界は、現実の世界から派生した虚構の世界だったのでした。

叔父「俺たちは神罰でこの街に閉じ込められた」

自分たちの存在とは一体何なのか!?

街の人間も自分達の置かれている状況を知ります。街の人々をなだめる佐上父。

佐上父「心のヒビが入らなければ問題ないのですよ。永遠に命が続いていくのですよ?」

街には「世界が終わってもしゃーねえな」という無気力な空気が流れ始めます。

しかし、心がの弱った人間は次々に神機狼に食われていきます。ひび割れた心をもつ人間が存在することは、虚構の世界の崩壊に繋がってしまうため、それを防ぐために頻繁に現われる神機狼。




佐上父のもとを抜け出してきた睦美といつみは、正宗の実家に泊めてもらうことに。

見伏市の崩壊が始まっているのか、家の中にも「ヒビ割れ」が発生。その中から覗いた現実の世界には、大人になった正宗と睦美がいました。そして二人の間には、「きくいりさき」という女の子がいたことが判明。そしていつみの正体は、中学生の正宗が暮らす虚構の世界へ迷い込んでしまったきくいりさきでした。現実世界の正宗と睦美はそんなことはつゆ知らず、いなくなってしまったいつみの帰りを待ち続けています。

自分が大人になったら睦美と結ばれる世界があることを知った正宗は睦美に告白。しかし、自分たちのいる世界は虚構だから好き合っても無意味だという睦美。

告白のくだりから倒れ込む正宗と睦美。

睦美「ほら、私臭くないでしょ?。所詮幻だから」

しかし告白を続ける正宗。

正宗「お前といると強く思えるんだ。ちゃんと生きてるって」

自分の心臓の鼓動を伝える正宗。

睦美「こうすると(心臓の鼓動が)もっと早くなる」

二人はキス。
しかしその現場をいつみが目撃してしまいます。
自分の感情がわからないなりに、正宗に恋愛感情を寄せていたいつみ。いつみの傷ついた感情が空のひび割れを加速させてしまいます。
現実の世界で降る雨が、正宗たちのいる虚構の世界へと降り込んできます。いつみの存在に気付かずキスを続ける正宗と睦実(笑)。しかも、なかなか生々しいキス(笑)。

正宗「やめたくない、爆発しそうだ」

何が爆発するんだ(笑)!おしえてくれ!!

ここでようやくいつみが見ていることに気づく二人。

いつみ「なかまはずれ!!」

加速していく空の崩壊。




その後正宗は失踪した父親の日記を実家で発見。日記には正宗の父親が小さな女の子を工場の列車で見つけたことが綴られていました。調査の結果、自分のいる世界が虚構であり、工場の敷地を走らせている列車が現実世界につながることを知る正宗の父。そしていつみの感情が揺れ動くと、自分たちのいる虚構の世界が不安定になってしまうことも。同じ工場で勤めていた佐上父は、

佐上父「閉じ込めておけばいい」

といい、現実世界から迷い込んだきくいりさき(後のいつみ)を工場に軟禁。それを知りながら、許してしまった正宗の父。

正宗の父の日記「おそらく現実世界の俺は、工場の爆破事故で死んだのだろう」

正宗の父の日記「皮肉なことにこの虚構の世界になったことで俺は会えたんだ。俺の孫に」

正宗の父の日記「この異常な世界でも人は変われる、正宗を見てるとそう思う」

正宗の父の日記「なのに俺たちはあの娘が変わっていく可能性を奪った」

その後父親は心にヒビが入り、神機狼に喰われてしまった模様。

父親も思いを知った正宗は、いつみを現実の世界へ戻してやりたいといいます。

賛同する睦美。

正宗の企みを知った佐上父はいつみを誘拐。追う正宗と睦美は再び工場へ。いつみを奪い返します。

いつみを現実世界へ返そうとする陣営と、引き留めようとする陣営で繰り広げるチェイス。様々な想いがあって、どの想いも応援したくなる・・・

いつみを奪い返した正宗と睦美は車で疾走。ひび割れの向こうの現実世界を走る工事用列車に並走。列車にいつみをのせて現実世界に返そうと決心する正宗と睦美。

正宗「消してたまるか、俺たちの娘だ」

睦美「違うけど」

緊迫感のある展開の中、現実世界から聞こえてくる祭囃子と、ひび割れた空から見える花火。

車が現実世界に入り、体が消えかかる正宗と睦美。

ひび割れの向こうには大人になった悲しげな正宗の姿も見えます。それを見た主人公の中学生正宗は、

正宗「俺たちはこの(虚構の)世界で笑うことができた」

正宗「けど現実の俺たちは違った。どこへだっていけるのに、どこにも行けない毎日を送ってる」

いつみを現実世界を走る列車にのせようとする正宗と睦美。

駄々をこねるいつみを連れて、睦美は電車に乗り移ります。そして正宗への思いを、いつみ…別の世界の自分の娘に打ち明けます。

睦美「最初に正宗に会ったとき、近づいたらダメだと分かってた」

睦美「近づいたらきっと好きになるってわかってたから」

列車の向かう現実世界でいつみは両親と幸せな再会をはたし、いつみは素敵な大人になっていくのだろう。そう考える睦美。

睦美「いいなあ、どれもこれも私には手に入らない」

睦美「だからせめて1つは私にちょうだい」

睦美「正宗の心は私がもらう」

いつみ「イヤ!ヤ!ナカマハズレ!」

睦美「そうだね、けどどんな瞬間でもいつみを想っている人がこの列車の先で待ってる」

いつみ「大キライ、大キライ」

睦美「そうだね、だから私はいつみと一緒に行かない」

いつみを列車に残し、飛び降りる睦美。坂を転がり正宗のもとへとかえります。

睦美「すごいよ。正宗。ちゃんと痛い。私、ちゃんと生きてる!」

いつみの乗った列車がトンネルへと消えていきます。

正宗「行っておいで、いつみ。俺たちに見えないものをみておいで。おれたちはいつまでこのままで居られるか分からないけど」

睦美「きこえる。生まれたばかりの赤ちゃんみたいな声…」

泣きじゃくるいつみを乗せた列車は走っていきます。現実世界へと…




荒廃した見伏の駅にひとりの女性が訪れます。タクシーを拾う女性は、成長したいつみでした。

いつみ「製鉄所までお願いします」

製鉄所の中を探索するいつみ。工場のなかで正宗が書いた睦美といつみの絵を発見します。

ひとりつぶやくいつみ。

いつみ「この場所で生まれた・・・」

いつみ「私の初めての失恋」

  

まとめ

EDで流れる中島みゆきさんの心音。歌詞のなかの「未来へ、未来へ、君だけで行け」が本編の正宗と睦美の行動と重なって、涙を誘います・・・

それぞれの街の人間の想い、正宗の想い、睦美の想い、全ての登場人物に考えがあって、その考えが交錯していく様が丁寧に描かれているので是非映画館で観て頂きたいです!

 

世界線・時系列の図解記事

えい
本編の流れを図で解説した記事はこちらから

  

おしまい




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