2022年5月28日公開、湯浅政明監督の描く狂宴エンターテイメント『犬王』をストーリー調ネタバレレビュー!踊りだしたくなること間違いなしの室町時代エンターテインメントを見逃すな!
映画『犬王』あらすじ・感想
犬王あらすじ・感想:壇ノ浦ってドコだ
壇ノ浦は現在の山口県!
犬王のパフォーマンス
映画『犬王』キャラクター/キャスト
キャラクター
- 友魚(ともな)声:森山未來
物語の主人公。 - 犬王(いぬおう) 声:アヴちゃん(女王蜂)
物語のもう一人の主人公。 - 足利義満(あしかが よしみつ) 声:柄本佑
室町幕府第3代将軍。 - 犬王の父 声:津田健次郎
猿楽の一座・比叡座の棟梁で犬王の実父。 - 友魚の父 声: 松重豊
友魚の実父。
キャスト
- 原作 – 古川日出男『平家物語 犬王の巻』
- 監督 – 湯浅政明(『夜は短し歩けよ乙女』など)
- 脚本 – 野木亜紀子(『逃げるは恥だが役に立つ』など)
- キャラクター原案 – 松本大洋(『ピンポン』など)
- 音楽 – 大友良英
映画『犬王』ネタバレ
友魚
北朝と南朝が、三種の神器を求めて争った室町時代。
60年間ずっと、壇ノ浦の海中から平家の品をサルベージする一族がいた。
主人公友魚(森山未來)と、その父親(松重豊)。
ある日父親は、海中から神器草薙の剣を拾う。
しかし草薙の剣をサヤを抜くと、剣から天罰が放たれる。
天罰を喰らい、友魚の父親死亡。
豊ェ・・・
同じく天罰を喰らった友魚は盲目に。
友魚は、琵琶の奏者となり、青年へ成長する。
犬王
猿楽(かつての能楽)の一座に生まれた、異形の子犬王。
目は縦に並び、口は顔の右端に位置する顔を、ひょうたんで隠している。
左手は異常に長く、身体能力に優れていた。
犬王は見てくれが悪いため、父親(津田健次郎)から舞台に立たせてもらえなかった。
そんな折、犬王は友魚と出会う。
琵琶の語り部と、踊り子といおう立場から気が合う二人。
二人は何度か出会い、友魚の死んだオヤジの謎パワーにより、平家の霊が見えるようになる。
平家の霊は宙に無数に浮かぶ赤いアメーバのような形をしていた。
二人にとりついた平家の亡霊たちは、ただただ浮遊するだけだったものの、自分たち平家が存在していたことを知ってほしいと望んでいた。
犬王のオヤジ(津田健次郎)
女のような化粧をし、今までの琵琶法師とは違って和太鼓や火を吐くパフォーマーも加えて、現代のバンドのようにライブをする友魚。
犬王をもまた舞台パフォーマーとして名を馳せていく。
客に手拍子を求めたり、大仕掛けな光の仕掛けを使って巨大なクジラがいるかのような描写をしたり、こちらも室町時代とはかけ離れたパフォーマンス。
成長していくにつれ、異形の体が人間のものに近づいていく犬王。
ふたりはそれぞれ室町時代の民衆に受け入れられていくが、幕府に自分の存在を認められない猿楽の継承者である犬王の父親(津田健次郎)は面白くない。
そんな折、室町幕府 足利義満が犬王のパフォーマンスを求めに犬王の父親のもとへやって来る。
足利の部下は言う。
足利の部下「噂通り犬王の仮面の下が化け物だったら、奥方のお腹の中のややこ(赤ん坊)に悪い影響を与える。その時は犬王は打ち首だぞ」
企み顔の犬王の父は言う。
犬王の父「もちろん大丈夫でございます」
犬王の正体は?
足利義満と妻や室町幕府の役人たちの前で友魚と犬王はコンビでパフォーマンスを繰り広げる。
あたりに浮かぶ平家の亡霊たち。
友魚「俺たち以外成仏してもらうぜ!」
友魚が熱く唄い、犬王が水面を舞う。
しかし亡霊たちは成仏しない。
友魚「まだ聞いていない話がある」
友魚の声にこたえるかのように、平家の亡霊たちは友魚と犬王に、犬王の父の過去をみせる。
犬王の父は自分の成功のために悪魔と契約をし、その対価として赤ん坊だった犬王が異形となっていたのだ。
友魚「見えたか!?」
犬王「見えた!」
赤い竜が現れ、パフォーマンスが激化していく。
遠巻きで見ている犬王の父。
パフォーマンスの成功を嫌い、悪魔を呼び出す犬王の父。
しかし悪魔は。
悪魔「差し出したもの(犬王)を壊すというのかならば、お前が食われろ」
悪魔に食われる犬王の父。
パフォーマンスのラスト、仮面をとる犬王。
その顔は、異形ではなく、化粧を施した普通の人間の顔になっていた。
足利義満
友魚と犬王の舞台は成功を収めた。
しかし足利義満は幕府の定めた歌以外へ禁令を出す。
友魚の歌は、公に歌うことを禁じられた。
足利義満は、犬王をお抱えとし、言う。
足利義満「金輪際、琵琶法師(友魚)と会うな」
友魚の命をとられまいとし、自分のパフォーマンスを捨て、義満に忠誠を誓う犬王。
しかし友魚は最後まで自分の歌を歌い続けることを止めなかった。
友魚は幕府の手によって処刑される。
いつも自分がライブをしていた河原で。
エピローグ
霊となった友魚と犬王が再会する。
初めて会った時のように歌い、踊る。
二人の熱きパフォーマーの生きざまをえがいた『犬王』!
是非大きなスクリーンで!
おしまい
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