雪景色の中に佇むロッジの庭で一人の男が死ぬ。容疑者は妻。第1発見者は目の見えない息子。これは事故か、自殺か、殺人か?GAGAの送るミステリ映画をネタバレレビュー!
【落下の解剖学】ネタバレ感想レビュー
【落下の解剖学】法廷で繰り広げられる検事と弁護士の応酬
雪景色の中に佇むロッジの庭で一人の男が死ぬ。容疑者は妻。第1発見者は目の見えない息子。
…というキャッチャーな内容に惹かれて映画館へ行きました。
被害者は事故か、他殺か、それとも自殺か。落下現場にとんだ血痕の理由はなにか。という謎を解き明かすべく話は展開されていきます。
ただこの映画、優れた探偵役がいるわけでもなく、また事件の全貌が明らかにされずに終わってしまったのでモヤモヤが残りました。。。
内容はこんな感じ。
雪の積もったロッジの庭に男性死体が発見され、妻が容疑者となります。以降7~8割は法廷パート。上映時間が2時間32分と長く、法廷パートがかったるく感じてしまうところがちょっと残念。
幾人かの証言を訊いて、その都度検事と弁護士&被告人(被害者の妻)が答弁するというもの。
推理ドラマ的展開を期待していましたが、蓋を開けたら法廷を巡るドキュメンタリーだったと言う感じでしょうか。
証言をしたのは主に四人。1人は記者。事件直前まで作家でもある被告人と会っていたようです。
2人目の証言者は精神科医。被害者は精神科へ通っていたようです。このあたりまでは、被告人優勢で裁判が進んでいきますが、三人目の証言によって、被告人が不利な状況へと立たされていきます。
第3の証言者は捜査一課のおじさん。被害者は被告人からDVを受けていたと言い、被害者が日頃録音していた音声を証拠として提示します。
音声の中身は・・・
・夫は妻のために自分の時間を犠牲にしている
・夫の書いた小説のフレーズを妻が盗んだ
・夫への妻による暴力の音
・妻が犯した不貞の話
などなど、被告人(妻)が不利になる夫婦喧嘩の様子が録音されていました。
陪審員の心象が悪くなっていく被告人。裁判を傍聴していた息子も、母親を信じられなくなったと影で泣きます。
しかし裁判の合間のパートで、何を思ったか自分の愛犬にアスピリンを飲ませまくる盲目の息子。様子のおかしくなる犬(そりゃそうだ)。
息子は事件当夜の出来事を再現するために愛犬にアスピリンを飲ませたと泣きながらに言います。
事件当夜、愛犬が床に散らかっていた吐瀉物を舐めてしまい、様子がおかしくなっていた。
息子の証言により、精神を病んでいた被害者がアスピリンを過剰摂取したために嘔吐し、それをなめてしまった愛犬の様子がおかしくなったのではないかという推論が法廷で展開されます。
【落下の解剖学】真犯人は誰?
そして判決へ。
被告人無罪。精神が不安定となり、アスピリンを飲みすぎた旦那がロッジのベランダから転落死したという結論に。
妻が旦那にやりたい放題だった印象なので、観ている側としてはちょっとスッキリしないですね(笑)
裁判の勝利を祝う被告人と弁護士。その後帰宅した元被告人は、盲目の息子を抱きしめたあと 自分のベッドへ向かいます。
寝付こうとした元被告人のベッドにアスピリンの実験に使われた犬が入ってきて映画は終わり(笑)
「無罪」という結論は出ていますが、性格の悪い私は「本当は奥さんが旦那を殺したんじゃないの?」と思ってしまいますね…
ゲスな勘ぐりを防ぐために、最後に元被告人の事件当日の回想を見せて欲しかったところ。あと、冒頭で話題になっていた血痕のとんだ角度がおかしいみたいな話はどうなったんだという感は残ります。
そのあたりは、あくまで法廷ドキュメンタリーだから全ての謎が法廷で解かれるわけではない、というテイなのかな。
おしまい
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