映画Winnyネタバレ:開発者金子勇の逮捕は正当だったのか?

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2023年3月公開映画Winnyをストーリー調でネタバレレビュー!天才ソフトウェア開発者金子勇の逮捕は正当だったのか?ノンフィクションな内容をエンタメに昇華した本作をどこよりも詳しくレビューします!

えい
Winny開発者金子先生の戦いの全貌が描かれる・・!




映画Winnyネタバレ感想

映画Winny感想・レビュー

映画Winny…面白かったです!(小学生並の感想)

単に「いいの」「悪いの」の感情論でストーリーが展開していくのかとおもいきや、しっかり根拠だてた丁寧な展開が繰り広げられるストーリーに好感がもてます

  • Winnyとはどんなソフトだったのか?
  • どんな事件だったのか?
  • なぜ開発者の金子先生は逮捕されたのか?
  • どんな裁判内容だったのか?
  • 弁護団はどう裁判に立ち向かったのか?
  • どんな結末を迎えたのか?

まさか、Peer to Peer(Winnyの使う通信技術)の話まで説明をして下さるとは…笑

裁判官や傍聴人はプログラム技術の素人ということで、弁護団は彼らに向けた説明準備をするシーンがあるのですが、それが映画観客への十分な説明になっています

ストーリーは、Winny開発者金子先生と弁護団と法廷での警察・検察との戦い、およびその幕間の金子先生と弁護団の日常パートで成り立っています。

東出昌大氏演じる金子勇先生は子供の頃からソフト開発が好きな人間で、逮捕されたこと事態を他人事のようにとらえているような明るさがあり、「不当逮捕」というテーマにもかかわらず映画が重くなりすぎていない。

映画がノンフィクションでありエンタメになっています。

そして三浦貴大氏演じる弁護人壇俊光先生と、金子先生の関係も面白い。
弁護人と被告人ではあるものの、何年も裁判を戦ってきた戦友のようなあたたかい関係。

劇中で壇先生が金子先生にかける言葉にぐっときます。

壇先生「これからの道のりは厳しいものになります

壇先生「私は金子さんのために人生の五年を使うので、金子さんは日本の技術者のために残りの人生を使ってほしいです

時に残酷に、時に熱く展開されるWinny裁判。

そして、Winny裁判とは平行で描写される愛媛県警内部に起きた不正事件…

警察組織の不正へ真っ向から立ち向かう仙波敏郎巡査部長(演.吉岡秀隆氏)。

愛媛県警の不正事件が、Winny事件とどうかかわっていくのか?

という多極的な展開が繰り広げられるところも見どころです!




 

映画Winnyネタバレ

Winny開発、なぜ逮捕された?

2002年、ひとりの開発者がWinnyを開発した。

開発者の名前は、金子勇。

しかし、Winny はソフトウェア違法アップロードの術として悪用されてしまう。

事態を重く見た京都府警は 愛媛県、群馬県在住のWinny利用者ふたりを逮捕。

そして捜査の手は開発者の金子にも及ぶ…

京都府警刑事(演.渡辺いっけい)「Winnyの開発は、【著作権侵害蔓延】が目的やったんとちゃいますか?」

Winny 開発を止めるよう、金子に誓約書を書かせる刑事。

しかし刑事は、金子の言葉で書かせるのではなく、警察に都合の良く描かれた内容の誓約書を模写するように言う。

それをそのまま書き写してしまう金子…

時を同じくして、とある飲食店で弁護士たちが会話している。

話題はWinny利用者が逮捕されたこと。

逮捕された利用者を弁護する気にはならないという壇弁護士。

壇弁護士「開発者が捕まったら弁護するわ、そんなことありえんけど」

なぜありえないのか?という仲間の弁護士にたいして、ナイフで刺した人間が捕まってもナイフを作った人間が捕まるわけがないという持論を展開する壇弁護士。

しかし、壇弁護士の元にとびこんできたニュースは、開発者金子先生が著作権違反幇助猫で逮捕されたというニュースだった…

えい
逮捕は正当か?!

 

Winny開発者への応援メッセージ

弁護を引き受ける壇弁護士。

金子先生が捕まったニュースは2ちゃんねらーたちを動かし、弁護士の開設した口座には有志達からとどいた募金があつまった。その額523万円。

通帳の送金元に印字されたメッセージを金子先生に見せる弁護士。

ガンガレ

ムザイ

イキロ

名もなき人たちの好意によって、励まされる金子先生。

壇弁護士は、金子先生にWinnyの在り方を問う。

・金を払った人だけ暗号鍵をもらえる

・認証権限を持つ管理者が消去のコマンドを実行すれば、配布済みのファイルですら消せるシステム

を実装すればWinnyはよくなるのでは、とアイディアを語り合う2人。

えい
幅広く使われるWinny。「俺も Winnyには世話になってな。無修正のAVとか落としたわ」という刑務官も登場しました




 

警察の正義

逮捕情報をマスコミへリークした人間が京都府警の中にいる。

そう考えた壇弁護士は検事に会って問いただすも、検事はなにも答えない。

検事「正々堂々法廷で戦いましょう」

弁護士「今の言葉、国民の前で胸を張って言えますか?」

検事「すみませんが次がありますので」

けんもほろろな検事。

Winny事件が起きていたころ、愛媛県警内では領収書を偽造する日常が繰り広げられていた。

不正だらけの警察組織の中、煙たがられながらもひとりの警察官、仙波巡査部長(演.吉岡秀隆)は決してその色に染まることなく職をまっとうしていた。

 

金子先生の保釈

保釈される金子先生。弁護士団によって、ビジネスホテルへ案内される。しかし裁判を控えているため、ソフトウェアの開発は禁じられた。

金子「パソコンを触れないなら留置所と同じじゃないですか」

弁護士から面談禁止リストを渡される金子先生。

あげく勤め先の東京大学をクビになってしまう不運…

壇弁護士「これからの道のりは厳しいものになります」

壇弁護士「私は金子さんのために犠牲の5年を使うので、金子さんは日本の技術者のために残りの人生を使って欲しいです」

目を潤ませる金子先生。

 

Winny裁判初公判

初公判。

捜査した京都府警のリーダーの刑事(渡辺いっけい)が証言台へ。

刑事は開発者に罪はないと当時思っていたが、取り調べの時に金子が著作権侵害を目的にWimnyを開発したといったため捜査方針をかえたと証言する

裁判は金子の書いた陳述書が争点になる。

陳述書の中の【著作権侵害の蔓延】という言葉に目をつける弁護団。

日頃使う言葉ではない。

これは金子の書いた陳述書には元ネタがあり、その元ネタを書いたであろう刑事は著作権協会の参考聴取を聞いた時に【著作権侵害の蔓延】という言葉が頭に残ったのだろうと弁護団は反論。

刑事にわざと嘘をつかせ、矛盾を突きつけるという反対尋問テクニックを駆使していく。




 

世の中をよくするために

― 飲み屋

初公判を終えた弁護団と金子先生。

弁護士 「あなたにとってWinny とは?」

金子「Winny は私の表現なんです」

金子「‥プログラム言語以外で喋る術を知らないので」

金子「世の中を良くしたいと思っている。世の中が良くなるのであれば私を有罪にしてもらっても構いませんから」

冗談なのか本音なのか、明るく答える金子先生。

「Winnyをあと2行書き換えれば、その脆弱性を防げる」という金子先生にたいして、それは NG だという弁護士たち。

 

愛媛県警の不正

愛媛県警内部で日常的におこなわれている不正を、仙波巡査部長(演.吉岡秀隆)は記者会見で訴えた。

仙波巡査部長「捜査協力費は全て架空です」

仙波巡査部長「若者たちが裏金づくりに協力させられ、蝕まれている」

仙波巡査部長「現場の警察官は素晴らしい人です。膿は全て出し切って再出発すべきです」

ときを同じくして、苦しむ仙波巡査部長、そして金子先生。

 

猫ファイト

仙波巡査部長の記者会見を見ていた弁護士たち。

「自分たちは金子先生の”生き様”を法廷で示すべきなんだ」という。

その方法とは、法廷で金子先生のつくったプログラムを実演すること。

法廷にて、かつて開発した【猫ファイト】という3Dソフトを実演する金子先生。

それは好きなことを早口に語るオタクのよう。

公判中に新しいアイデアを思いついて自分の世界に入ってしまい、裁判官もあっけにとられる始末。

壇弁護士「彼は普通のプログラマが3年かかるプログラムを2週間で作ることができます」

壇弁護士「ですのでこういうことになります…」

 

愛媛県警の裏帳簿

仙波巡査部長の記者会見に参加した記者のパソコンに、愛媛県警の裏帳簿が流出。

奇しくも 記者が自分のパソコンにWinnyを入れていたため裏帳簿を入手できた形となった。

仙波巡査部長のもとへは、警察関係者であろう人物から恨みを買う電話がつづいていた。

????「絶対許さんぞ」

仙波巡査部長「許さんというのは警察の犯罪か、それとも私のどちらを許さんという意味ですか?」

 

Winny裁判の判決結果

― 裁判所

最後の公判を迎える金子先生と、壇弁護士。

裁判官から最後の陳述を求められる金子先生。

金子「科学技術は素晴らしい」

金子「Winnyの開発は早すぎたのでしょうか。それとも遅すぎたのでしょうか」

金子「Winnyは将来評価される技術と信じています」

SDカードを見せる金子。

中には脆弱性対策を施した Winny が入っているという。

金子「私はこれを公開することもできません。私にはそれが残念でなりません」

下る、判決。

Winny裁判の判決内容は、150万円の罰金。

すなわち【有罪判決】が下った。

― 飛行場

空を飛ぶ飛行機を眺めている金子先生と壇弁護士。

金子「まだ負けたわけじゃないですよ!次も頑張りましょう」

明るくふるまう金子先生。

壇弁護士「日本の裁判は、一度有罪になると名誉回復は難しいんです」

と半ばあきらめの発言をする壇弁護士に、金子先生は言う。

金子「まだまだこれからですよ!もっとバンク(飛行機の旋回)しましょうよ!」




  

それから

― 7年後

とあるお寺で葬儀が行われていた。

亡くなったのは、金子勇その人だった。

喪主の金子先生の姉から、故人のメガネを渡される壇弁護士。

金子の姉「弟は壇さんと会えて幸せだったと思います」

 

エピローグ

一審で有罪となった金子先生は、最高裁の判決で無罪となった。

しかしその後、ソフトウェア開発に携わったのはたった半年。

金子勇の作ったプログラムは今もどこかで動いている。

― 金子勇本人VTR

金子勇(本人)「若い人たち、頑張ってください」

金子勇(本人)「この国でソフトウェア開発で捕まることはなくなりました」

  

おしまい




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