福島原発から5kmにある『東日本大震災・原子力災害伝承館』へ行ってみた!福島県に誘致された原発が福島県民へ与えたメリット・デメリットとは・・?アクセス・見所・所要時間情報含め、写真たっぷりの探訪記をお送りします。
東日本大震災・原子力災害伝承館へ行ってみた!
東日本大震災・原子力災害伝承館は展示や語り部を通じて、未曽有の複合災害について福島で何が起き、どう向き合ってきたかを伝え、防災・減災に向けた教訓を国内外や未来へつないでいくための施設です。
福島原発近くのJR双葉駅は今どうなっている?
えい
今回訪れたのは、福島県双葉町!
えい
東日本大震災直後に起きた福島第一原発から北へ5km、東日本大震災・原子力災害伝承館へ行ってみました
2011.3 3/11 14:46、東日本大震災発生。直後に福島第一原発事故が発生
2020.3 JR常磐線 富岡駅~浪江駅間が運転再開(JR常磐線全線再開)
2020.9 東日本大震災・原子力災害伝承館開館
2022.10 探訪
友人くん
福島原発事故から11年(記事執筆時点)、福島原発周辺はどうなっているのだろうか
えい
全く知らずに過ごしてしまいました
えい
『東日本大震災・原子力災害伝承館』をめざして、まずは最寄りのJR双葉駅へ
JR双葉駅
友人くん
思ったより立派な駅だ。なにやら建物も建築中だな
えい
たしかにぱっと見、普通の地方駅ですね
えい
ただ、駅構内に他の駅ではあまり見ない電光掲示板をみつけました
双葉液空間線量率 0.076μsv(マイクロシーベルト)
友人くん
これは放射線量をはかるメーターか。ガイガーカウンターとか買う人も俺のまわりでいたな
えい
環境省の定める基準値としては、空間線量率・毎時0.23マイクロシーベルト(μSv/h)という値を下回れば安全と定めているようです
えい
つまり私が撮影した時の双葉駅は基準値を大幅に下回っていると言えますね
JR双葉駅2022年10月某日:0.076マイクロシーベルト/h
国の定める基準値 :0.23マイクロシーベルト/h
友人くん
なるほどなぁ~。1つの指標として安心感を得られるな
えい
ですね!
えい
ではJR双葉駅の外へ
JR双葉駅外観
えい
駅周りではありますが、コンビニや飲食店といったお店はありません
えい
派手な損傷のある建物はありませんが、人の手が入っていないであろう民家がちらほらあります・・
えい
シャトルバスに乗ってお目当ての東日本大震災原子力災害伝承館へ。多い日では駅から1日に13便もバスが出ています
友人くん
1日13便!結構利用者がいるってことか
えい
バスの停車駅は『東日本大震災原子力災害伝承館』のみですので、そうなのかも?
えい
バスから見た光景
友人くん
駅前にもあったが、絵の描かれた壁が多いな
えい
住民有志で壁画プロジェクトを起こしているようですね!
双葉町産業交流センター
えい
お目当ての『東日本大震災原子力災害伝承館』のとなりにある『双葉町産業交流センター』前の駐車場にバスは到着します
双葉町産業交流センター
友人くん
すごい立派な建物だ!
えい
こちらの建物は貸し会議室や事務所がメイン。観光客が探訪できるのはレストラン、フードコート、お土産屋といったところかな?
えい
それではお目当ての『東日本大震災・原子力災害伝承館』へ!
双葉町産業交流センター(左)と東日本大震災・原子力災害伝承館
友人くん
なにやらスタイリッシュな建物が見えてきた!
東日本大震災・原子力災害伝承館
外観
えい
こちらが『東日本大震災・原子力災害伝承館』!湾曲したガラス張りの壁面が特徴的です
東日本大震災・原子力災害伝承館
えい
中に入ってみました。吹き抜けが開放的な現代建築ですね
えい
『東日本大震災・原子力災害伝承館』では、福島原発がもたらしたものと原発が奪ったものについて紹介されています。展示や映像、さらには時間があえば語り部の方から当時のおはなしを伺うことが出来ます
友人くん
どんな展示があるのだろうか
シアター
えい
入館券を購入します
えい
みて下さい・・・券売機の隣には・・・
この先に『シアター』があるって書いてある!
友人くん
wwww
えい
映画ブロガーとしては興味新々。こちらの『シアター』をまずはご紹介
えい
『シアター』へ入ってビックリ!
東日本大震災・原子力災害伝承館のシアター
友人くん
なんだこれ!?
えい
『シアター』ときいたので、単純にスクリーンが1枚ぶら下がっているものかとおもいましたが、全くそうでは無かった!
友人くん
どうなってるんだこれ??
えい
下図のようにスクリーンは6つに別れています。6つのスクリーンはときにばらばらの映像を映し、ときに1つの大きな映像を映し出しました
えい
6つのスクリーンを駆使して目まぐるしく変わる映像。驚きの上映施設です
えい
床面もスクリーンとなっていて、波うつ様子が映し出されます
えい
また部屋にはらせん状の階段があり、スクリーンの裏には東日本大震災・原子力災害関連年表が展示されています
友人くん
スクリーンの裏までも展示になっているとは。ちなみに映像はどんな内容だったんだ?
えい
福島出身の西田敏行を語り部とした5分程度の映像でした
えい
原発の建設から地震、津波、原発事故の発生と住民避難、復興や廃炉について、実際の映像やアニメーションを交えて語られます
えい
原発のもたらした功罪を紹介する西田敏行。朴訥とはなすひとつひとつの言葉が胸を打ちます
西田敏行『光があれば影もある』
西田敏行『私が生きているうちには復興は無理がもしれねえなあ・・・』
東日本大震災・原子力災害伝承館の展示
えい
『シアター』を出ると展示室がつづきます
友人くん
・・・当時を知る貴重な資料だな
えい
私が来場したとき(土曜日の開館とほぼ同時に入場)は、20人ほどのお客さんがいらっしゃいました
えい
シアターからお客さんが出ると、スタッフのかたが一緒に行動、展示を順に説明してくださいました
えい
福島原発のもたらしたメリット。原発が出来た頃、靴を買えなかった人が車に乗ることが出来るようになるほど生活レベルが変わったようです
友人くん
原発誘致はそんなにもメリットがあったのか・・・
えい
こちらは福島原発の模型
えい
原発を冷却するために準備されていた地下予備電源が津波で水没してしまったことが事故の原因のひとつ。予備電源を地下に設置するのは、アメリカの原発を模倣していたようです。アメリカはハリケーン災害が多くその対策として地下に設置するようですね
友人くん
アメリカを模倣したことが事故につながった・・皮肉なものだなぁ・・
えい
「安全神話を過信せず、事故の教訓を大事にしてほしい」という語り部のかたの言葉が重くひびきます
えい
こちらは震災後の上京が書かれたホワイトボードや、津波がもたらした被害の指標たち・・
えい
壁面がディスプレイにも変化する展示棚
えい
17万人にも及ぶ避難した福島県民の想い出の品などが飾られています
未来へ
えい
展示の最後のコーナーでは、未来への希望があふれていました!
えい
福島イノベーションコースト構想の一環で開発された一人乗りドローン
Mk-3の開発(1人乗りドローン)
えい
こちらは擬似的にオリジナルの未来の街を創ることができるプロジェクタマッピング
みらいのまち
友人くん
オリジナル街造りか、おもしろそうだ!・・・てか偏りすぎw
福島県復興祈念公園鳥瞰図
えい
展示を見終えると、屋上へ出るルートにつながります
えい
眼前に広がる公園と海
えい
視線を横に向けると、なにやら建物が
えい
地元の地権者さんから提供された土地に、除染された土壌を貯蔵する施設が建設されたようです
友人くん
現行で運営されている施設が近くにあることで、『東日本大震災・原子力災害伝承館』の存在がより大きな意味を持つね
東日本大震災・原子力災害伝承館の所要時間は?
友人くん
『東日本大震災・原子力災害伝承館』を廻るために必要な時間はどれくらいだ?
えい
『双葉町産業交流センター』とあわせて90分!
えい
・・・では全然足りませんでした!
えい
東日本大震災・原子力災害伝承館には見所ある展示のほかにも、震災を経験した方によるおはなしが1日4回おこなわれていたり、すべてを見学・体験しているとかなりの時間を要します
語り部さんのおはなしスケジュール。開催時間を踏まえておくべし
第1回 | 10:00~10:40 |
第2回 | 11:30~12:10 |
第3回 | 13:30~14:10 |
第4回 | 15:00~15:40 |
えい
90分でも時間が余るだろうなとおもっていましたが、語り部さんのおはなしも聞けず終い・・・海岸にも行けず終い・・・展示ももっとじっくり見たかった・・・
えい
語り部さんのおはなし等も含めたら、3時間くらい見込んでおいてもよいかもしれませんね
友人くん
なるほど
まとめ
えい
シャトルバスを使って双葉駅へ。ふと駅横にあるステーションプラザふたばを見上げると、動いていない時計を発見
ステーションプラザふたばの14:46で止まった時計
友人くん
あれ・・?この『時間』は・・・
えい
そうですね・・・震災の起きた 3/11 14:46を意味していると思われます
友人くん
なるほど・・・
えい
わたしたちが原発事故復興のためにできること。考えていきたいですね
えい
止まってしまった時間をいつか動かすために
おしまい
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