【ストーリー調ネタバレレビュー】ワン・セカンド 永遠の24フレーム

映画

巨匠チャン・イーモウ監督がすべての映画好きへ送る映画【ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2022年5月20日公開)】をネタバレレビュー!

文化大革命時代の中国で行われた数ヶ月に1度の映画興行の日に、収容所から逃亡した男と名も無き少女、そして映写技師が出会った日に起きた出来事とは。

えい
ほんの一瞬だけ、映画をとおして交わった3人の切ない物語




ワン・セカンド 永遠の24フレーム

ワン・セカンド 永遠の24フレームの登場人物

えい
メインの登場人物は3人

   

  • 逃亡者のおっさん(演.チャン・イー)

  造反派に歯向い、強制労働所送りになった男。6年前に離ればなれになってしまった娘(14)との再会を夢見る。

ワン・セカンド 永遠の24フレームの主人公
友人くん
6年ぶり・・会えてもわかるだろうか?

   

  • リウの娘(演.リウ・ハオツン)

  両親を亡くしており、自分の名も無い少女。ある理由で映画フィルムをほしがっている。

ワン・セカンド 永遠の24フレームのリウの娘
友人くん
切ない・・

  

  • 映写技師のおっさん(演.ファン・ウェイ)

  知的障害をもつ息子がいる。数ヶ月に一度の村の映画興行を開催する。

ワン・セカンド 永遠の24フレームの映写技師
友人くん
観たいぜ!
えい
娯楽に飢えているから村人の映画にたいする熱量がすごい!

  

24フレームとは?ワン・セカンド 永遠の24フレームのタイトルの意味は?

えい
そもそも動画とは
えい
連続して変化する静止画を速く切り替え続けると動いているように見える、視覚の錯覚を利用したものですが、
えい
動画を構成する1枚の静止画像を1フレームといいます
えい
フィルムをもちいた映画の上映は、1秒で24の静止画がつかわれます
友人くん
なるほど
友人くん
ワン・セカンドは日本語で「1秒」
友人くん
「1秒」で24枚の静止画(フレーム)が使われているということか。果たしてそれがどういう意味を持つのか・・・

  

ワン・セカンド 永遠の24フレーム ネタバレ・感想

えい
文化大革命まっただなかの1969年の中国
えい
『22号』というニュース映画に娘の姿が1秒間映っているという話を聞いた主人公は、娘を一目見たいがために強制労働所を脱出
えい
逃亡者となって映画が上映される予定の村へ向かいます
友人くん
なんだ?22号って
えい
本作を観る限り、当時の中国では映画本編の前に、ニュース映画というものを流していたようです。ニュース映画はナンバリングされているようですね
友人くん
なるほど。娘さんは役者ではないものの、ニュース映像のなかに登場したわけね
えい
ですね!主人公は村へ向かう途中、映画本編フィルムを盗んで逃げている孤児の少女と遭遇します
えい
主人公は少女を締め上げ、取り戻したフィルムを映写技師へ返却
友人くん
フィルムなんざ盗んでどうするんだよw
えい
それは少女の弟のためでした
えい
弟が友達から借りたランプスタンドの傘が燃えてしまったんだけれど、その傘がフィルムでつくられたものだったとか

  

↓ランプの傘を映画フィルムで置き換えたものを想像してください・・

友人くん
フィルムをつかうとは、なかなかしゃれたスタンドだ。映画は貴重な娯楽だから、フィルムはおいそれと手には入らんだろうな
えい
ですね。ただし、映写技師は自分でつくったのか、似たようなものを持っていましたが
友人くん
www
えい
少女による本編フィルム盗難騒動解決後、村では別の大騒動が勃発!
えい
フィルムの運搬係・・・映写技師の息子の不手際で、膨大な量のフィルムがむき出しで地面にばらまかれ、ドロドロに汚れたフィルムは上映不可能な状態になってしまったのです…
友人くん
これは酷い・・・
えい
しかもその中には主人公が探していた、22号のニュース映画も!
友人くん
おいおいどうすんだよ・・
えい
映写技師のもと、村の者たち総掛かりで砂にまみれて、絡まった大量のフィルムをほどき丁寧に真水で洗っていきます
友人くん
天日干しの干ぴょうみたいだぜ
えい
映画を観たい!という村人の思いを受けて、映画フィルムは無事洗浄完了。主人公と映写技師で、フィルムをリールへ巻き取っていきます
えい
お互いの人生について語る主人公と映写技師
えい
映写技師は自分のこどもがフィルム洗浄液を飲んで知的障害をもったこと、主人公は自分が逮捕されたせいで娘と離ればなれになっていること
友人くん
なかなか重い過去を語るねぇ・・




 

えい
村人たちが待ちに待った映画の上映開始!
えい
あらたに少女のニュース映画フィルム窃盗騒ぎが発生したため、映画本編→ニュース映画の順に流すことに
友人くん
盗みまくってるな~
えい
がらんどうの古ぼけた建物の中に張られた大きく真っ白な布

 

中国の即席映画館!

えい
建物の中には何百もの人間がぎっしり。スクリーンの裏側にも村人が座って観ています
友人くん
なんの娯楽もない村で、数カ月ぶりに上映される映画だからな
えい
皆の映画への熱が伝わってきてこちらまで熱くなる!!
えい
大人も子どももじっと簡素なスクリーンを観ていますが、映画を観ていない男がひとり・・・
友人くん
主人公か?
えい
ですね
えい
消えてしまったニュース映画のフィルムを必死に探していました
えい
しかし、主人公は少女が盗んだものと思い込んでいましたが、フィルムはいつのまにか映写技師のもとへ戻っていました
友人くん
弟のために、フィルムが欲しかったろうに
えい
少女も、男がニュース映画に登場する娘に会いたがっていることを知っていたからかもですね・・・
えい
映写技師のもとで落ち着いてニュース映像を見る主人公
えい
ニュース映像は本編とは違ってフィルムの傷が目立ち、ノイズもひどかった
友人くん
砂で傷ついてしまったからか・・・
友人くん
それで娘の顔が判断できるのかな?
えい
解散していく村のひとたち
えい
ニュース映像を見終わった主人公に映写技師は問います

  

映写技師「娘は出ていたのか?

  

えい
わからなかった、と答える男
友人くん
そうか・・・
友人くん
それは娘の出番が1秒しかなくて見つけられなかったからなのか、6年会っていない娘の顔を思い出せず判断できなかったからなのか
えい
どちらでしょうね・・・最後の最後まで、主人公は肯定も否定もしません・・・
えい
映写技師に頼んで10分のニュース映画だけを再度上映してもらう主人公
えい
映像の中には、大人に混じって一人働いている女の子が登場
えい
映写技師は映像の中の女の子を指して「きっとあの子があんた(主人公)の娘に違いない」と言います
えい
村人が帰ってたった一人の映画館で、ニュース映像を繰り返し観る男
えい
10分間の中にたった1秒登場する娘であろう人物のために
えい
「フィルムを巻き戻すのは面倒だ」と言いつつも、映写技師は映写機を同じフィルムを流し続けられるように改造してくれます
友人くん
映写技師・・・主人公のために、尽くしてくれるいいヤツだ
えい
ですね・・・
えい
ただ主人公は脱獄犯・・
えい
映写技師は主人公に気付かれぬうちに保安官を呼んでいました
友人くん
Oh・・・
えい
やってきた保安官たちにボッコボコにされてしまう主人公
えい
朝の出発を前に、柱にくくりつけられる主人公
えい
そんな彼への負い目があったのか、映写技師は新聞紙に包まれたあるものをプレゼントします
友人くん
それは・・・?
えい
主人公の娘が写った2コマのフィルム・・・1秒分にも満たないフィルム・・・
友人くん
貴重なフィルムだろうに。。
えい
主人公は礼を言って、それを胸ポケットへしまいます
えい
主人公は映写技師にもう一つ頼みがあると言います
友人くん
それはいったい




 

えい
朝が訪れ、保安官たちに殴られながら砂漠を連行されていく主人公
えい
保安官は主人公の胸ポケットにしまわれたフィルムの存在に気付きます
友人くん
ああ・・・・
えい
主人公は保安官に殴られ、娘の写ったフィルムとそれを包んでいた新聞紙が風に舞っていく・・・
えい
そこへ追ってくる少女
えい
実は主人公は映写技師に頼んで、映写技師のもっていた映画フィルム製スタンド傘を少女にプレゼントしていたのです
友人くん
粋なふたりだ・・・
えい
フィルムでつくられた傘の礼を主人公へ言いに来た少女
えい
嬉しそうに、離れた場所で保安官に連行されていく主人公へそれを振ってみせます・・・
えい
そこで少女は主人公の方からとんできた新聞紙を拾います
えい
少女は新聞紙が主人公が持っていたものだと気づき、新聞紙を拾って「もう大丈夫」と言わんばかりに離れたところにいる主人公に手をふります
友人くん
新聞紙に包まれていた肝心のフィルムは拾えたのか??
えい
少女がフィルムを拾えたかがわからぬまま、なんとも切なそうな表情を浮かべ連行されていく主人公・・・

  

― 2年後

えい
刑期を終えて、少女と再会する主人公
えい
少女は暮らしが改善されたのか、小綺麗な格好をしています
えい
主人公と再会した少女は、2年前に拾った新聞紙を大事そうに渡します
えい
折りたたまれた新聞紙・・・
友人くん
新聞紙の中は・・・?
えい
急いで新聞紙を開ける男・・・
えい
そこにフィルムは・・・
えい
ありませんでした
友人くん
ああ・・・
えい
最後に主人公と少女が会った砂漠へ移動する主人公と少女
えい
少しの間主人公はフィルムを探すも無くしたのは2年前・・・
えい
『そりゃ、もう落ちて無いよな・・・』
えい
主人公もそうおもったのか、苦笑したところで映画はおしまい
友人くん
ほろ苦エンドだ・・・
えい
必死にフィルムを探した自分を笑ったのか、そもそもフィルムに写った女の子が娘かも分かっていなかったことを笑ったのか・・・

  

まとめ

ニュー・シネマ・パラダイスのように、みなが映画を楽しんでいる描写に胸が熱くなります!

主人公、少女、映写技師、三人を紡いだ映画に感謝。

映画は不滅だ!

   

おしまい




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