古き良き思い出を再体験したら“今”が輝き始めた!
大切な人たちとの未来が、もっと愛おしくなる人生讃歌
2021年6月12日『ベル・エポックでもう一度』のネタバレ感想レビュー!
※画像は公式動画より
ベル・エポックでもう一度
『ベル・エポックでもう一度』の登場人物
フランスを舞台にした、ヒューマンドラマ。
THE・フランス映画で、主人公の行動に心打たれます。
登場人物はこちら。
ヴィクトル(演.ダニエル・オートゥイユ) … 主人公のおっちゃん。かつては売れっ子イラストレーターだったけれど、今は無職。
マリアンヌ(演.ファニー・アルダン) … 主人公の嫁。主人公の友人と不倫してる。
アントワーヌ(演.ギョーム・カネ) … 舞台となるタイムトラベルサービスを提供する『時の旅人社』社長。
マルゴ(演.ドリア・ティリエ) … 女優。
感想ネタバレレビュー『ベル・エポックでもう一度』
お話の舞台は『時の旅人社』がメイン。
『時の旅人社』は映画製作を応用して、お客の戻りたい過去を広大なセットで再現!
依頼人はスタジオのセットで、”過去”を楽しむことが出来るんです。
“過去”は、『マリー・アントワネットの時代』だったり、『亡くなった父親のいた時代』だったり、依頼人によってまちまち。
この会社の経営者であるアントワーヌ社長にとって、主人公は恩人。
このタイムトラベルサービスを楽しむための、無料チケットを主人公にプレゼントするんですね。
職もなく、妻からは家を追い出されたタイミングだった主人公。
というわけでやることのない主人公、タイムトラベルサービスをさっそく体験します。
主人公の選んだ時代は、1974年5月16日。
その日は『運命の女性』と会った日。
『運命の女性』は、今の奥さんを指しているようです。…健気すぎる(笑)
現代の『運命の女性(奥さん)』は自身は不倫しているくせに、旦那(主人公)を家から追い出す鬼畜ですからね(笑)
まあ、主人公は『運命の女性』のことを「何年か前に死んだ」とか表現しちゃってますけど(笑)
『時の旅人社』は、主人公の描いたプロット(絵)をもとに、1974年を表現したセットを構築。
セットの情景は、主人公の記憶にぴったり合致。
主人公は、50年近く昔の喫茶店”ラベ・エポック”が再現されたことに感激を隠せません。
再現されたセットに現れたのは…『運命の恋人』。
つまり当時の奥さんを演じる女優さん。
主人公は25歳になりきって、女優さんと当時の会話を楽しみます。
女優さんと主人公。
主人公の描いたプロット通り、『運命の女性』は、奥さんの好きだった砂糖をつけたゆで卵を食べたり。
時折女優さんが今の奥さんに重なってみえる主人公。
不倫されても、足蹴に扱われても、奥さんのことを思い続けているんですね…
主人公は、奥さんには冷たい扱いを受けていますが、息子には大切に思われているようです。
タイムトラベルサービスを受けている主人公を心配した主人公の息子は、社長に電話。
主人公の息子「親父は勃起してるか?」
社長「確認しておく」
何を確認してるんだ…
これじゃフレンチジョークじゃなくて、ハレンチジョークじゃねぇか。
(しょーもな)
主人公が勃起していたかはわかりませんが、女優の演じる『運命の恋人』は主人公とのひと時を終え、迎えに来た友人ジゼルを演じる女優とともに去っていきます。
入口には、『運命の女性』を演じる女優のマフラーの落とし物。
ここも主人公の描いたプロット通り。当時、このマフラーから物語が始まったわけですね。
こうして社長からもらったチケット分はタイムトラベルツアーを楽しみ終わった主人公。
しかし、欲が出てツアーを延長したくなるんですね。
息子に金策してツアーを延長。
再び1974年に戻る主人公。今度は喫茶店ではなく、行き先は1974年のバー。
本物志向の社長、当時のバーで実在していた大麻も実物で再現。
どこにこだわってるんだ(笑)
再び女優と出会う主人公。
妻の香水をつけた女優に妻の幻影が見えます。
妻…いや、当時の妻を演じる女優は主人公にキス。
主人公「何をしてる…私は老人だぞ」
女優「私も老人よ」
ツアーは終了。主人公は、社長へ感謝の意を伝えて去っていきます。
ツアーを終えた主人公の向かった先は…
自分を追い出した妻の元(笑)
奥さんに声をかける主人公。
主人公「ジゼル(妻の当時の友人)と連絡はしてる?」
唐突に挙がった名前にあっけにとられる妻をよそに、主人公は荷物をもって家を去っていきます。
その後、主人公は息子が経営する会社で働くことに。
お金が貯まるたびに、1974年にタイムトラベルする主人公。
しかしある日、『運命の恋人』を演じていた女優が変わってしまいます。
スタッフを問い詰め、女優の自宅を見つける主人公。
女優の自宅へいくと…そこには女優だけでなく、旦那さんや子供がいました。
(タイムトラベルサービスから現実に目を向けさせるための演技なんですが、主人公は騙されています)
女優は主人公に告げます。
女優「あなたは奥さんを愛してる」
女優「自分が望む状態で相手は止まってくれない」
社長の指示通り、演技をする女優。
しかし女優さん、指示もされていないのに涙を流してしまいます。
1974年を生きた男女として、主人公と女優さんは恋に落ちていたのかもしれません。
女優の家を去っていく主人公。。
そして主人公は…
妻のいる家に帰ります。
そこには、妻…だけでなく妻の不倫相手(主人公の友人)も滞在中(笑)。
不倫のことを文句でもいうのかと思いましたが、主人公は1974年にタイムトラベルしたことを嬉しそうに話します。
すごいな。ちょっとは責めてもいいのでは(笑)。これがフランス人の度量の深さなのか。
主人公は、1974年の様子を描いたプロット(絵)を置いて、家を去っていきます。
楽しかった1974年!
主人公の絵は、奥さんの心をも揺さぶります。
絵を見て当時を懐かしく思った奥さんは、ずっと連絡をとっていなかった友人ジゼルに電話をし、バーへ出かけるのです。いいですねぇ…
・・・・
主人公は1974年へタイムトラベルをします。
最後のタイムトラベル。
女優さんは『時の旅人社』を辞めてしまっていますので、喫茶『ベル・エポック』にもう現れることはありませんでした。
しかし、女優さんの代わりに登場したのは…
本物の奥さんでした。
奥さんも当時を再現したベル・エポックを懐かしみます。
奥さんは主人公と同じ席につき、語り掛けます。
奥さん「イラストを見たわ。あんなに嫉妬したのは久しぶり。あなたが恋しい」
主人公「私が?」
奥さん「そう。あったばかりのあなたが恋しい」
当時と同じ香水をつけている奥さん。
奥さんは主人公と会話を一区切りし、席をたちます。
奥さん「行くわ。・・・電話して」
主人公「いつ?」
奥さん「なるべく早く。人生は短いから」
奥さんは喫茶ベル・エポックを出ていきます。
勿論お店を出るときは、当時と同じくマフラーを落として。
それを見た主人公は…
喫茶店のマスターに声をかけます。
主人公「会計を」
ここで映画はおしまい。
カッコいいですね‥
最初から最後まで、主人公サイドは一途に奥さんを愛し、タイムトラベルサービスを経て、元のさやにもどることが出来そうなところまで戻ってこられました。
なおネタバレでは書きませんでしたが、映画では女優は社長の恋人。この2人の関係の変遷も描かれていて、より深い恋愛模様が描かれています。
そこは是非、ご自身の目で!
おしまい
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