2024年1月調布で開催された【海鳴りのとき/失われた夜に】の上映会へ行ってみた!新たな自主製作怪獣映画の世界を見せてくれるのか?
自主製作映画【海鳴りのとき/失われた夜に】ネタバレレビュー【佐藤高成監督】
ネタバレレビュー【海鳴りのとき】
海鳴りのときのネタバレレビュー。
既にウルトラマンブレーザーなど、プロの現場にフリーランスとして佐藤高成監督が製作した40分ほどの短編映画【海鳴りのとき】。
映画を観始めた私は感謝しました。
映画が上映された「調布文化会館たづくり映像シアター」内にでかでかと時計が掲げられていることに。
なぜって、絶望的に話がつまらない。
これで鑑賞料金2000円とりますか、とさえ思ったが、残る同時上映に賭ける私。
【海鳴りのとき】の前半は、恋人を亡くした主人公の男がポエミーな発言を垂れ流し、親友ポジの男がこれまたポエミーに励ますというもの。これで20分。ここまでほぼ特撮シーンがない。というか30秒もあった記憶がない。
そして後半。ポエミーな主人公は部屋で過ごしていると、怪獣の進撃により部屋が震え始めた。しかし、ほとんど姿を見せない怪獣。なかなかの恥ずかしがり屋さんである。
自殺願望すらある主人公は怪獣が迫っていようが逃げ出すことをしない。人気を感じて、玄関のドアを開ける主人公。するとなぜかドア前には掘り出したばかりのタイムカプセルが置いてある。親友が置いたのだろうか。声くらいかけてくれてもいいものである。
タイムカプセルの中には、主人公の恋人の手紙が入っている。手紙には、自分の生きた証がどうのこうのとこれまたポエミーなことが書いてある。しかし驚いたのは、亡くなった女性による手紙の宛名が「私が死んで悲しい人」と書かれていたことである。主人公は彼氏ポジではなかったのか?とツッコミたい。
しかも手紙を残した女性は、重い病にかかって死んだようである。
怪獣関係なく死んだんかい(笑)
てっきり怪獣に殺された女性を想うばかりに、主人公が立ち直れずにいると思ったが、思わぬミスディレクションである。
手紙に感化され、ビルの屋上へ行く主人公。
眼下には怪獣に破壊された街。まるで海のように水平線が広がっている。
怪獣を見つめる主人公…。
けど。
私は思う。
怪獣関係ないじゃん、と。なんか恋人の仇!みたいな感を醸し出してるけど、怪獣関係ないじゃん、と。
結果、怪獣が暴れる映像は40分中トータル2分くらい。ビルの爆破などもあったが、惜しいことに煙でビルが崩壊するシーンが良く見えないのである。
なお本編後は、メイキング映像を流していただいた。ビルの破壊シーンの制作風景が観られておもしろかった。
そして、メイキング映像で公開された煙のCGがつく前のビル破壊シーンの方が迫力があるように見えた。
2、3分くらいしか特撮シーンがないにもかかわらず、製作費はウン十万かかったらしい。恐ろしや、特撮の世界。
【失われた夜に】ネタバレレビュー
お次の上映は【失われた夜に】のネタバレレビュー。
家出中学生が公園の遊具の中に隠れていると、お姉さんが来て「道案内しろ」と言う。
曲がり角でパン食べながら走る女の子とぶつかる方が自然とすら感じる(笑)
少年はお姉さんとともに道端に廃棄されたロッカーの中に入ると、そこはお姉さんの家でした。どうやらお姉さんは見た目は人間の宇宙人らしい。
で…30分くらい怪獣が全く出ることなく中学生とお姉さんがマンションの一室で話すシーンが続く。
好きだね、話すの(笑)。中学生の家出の理由をお姉さんが聞いて、「しょーもない」と相槌をうったり、中身のない話が続いていく。
「しょーもない」はこっちのセリフよ(笑)
かったる過ぎる!(笑)
上映後に登壇した監督が「前半パートが怪獣登場しなくて申し訳ない」とポロッと言ってたけど、分かってるなら出してくれ(笑)
せっかくお姉さんの宇宙人形態のスーツがあるのだから、宇宙人形態お姉さんと少年をしゃべらせたほうが絵的におもしろいんじゃなかろうか。ちゃぶ台越しに話すウルトラセブンとメトロン星人のオマージュになっちゃうけど、特撮ファンなら笑って許してくれるんじゃなかろうか。
話は中盤まですすみ、お姉さんのシャワーシーンがやってくる。そしてそれを覗きに行く中学生のガキ。
しかしシャワーを浴びていたのは、人間ではなく怪人!ドアからにょきッとのびる怪人の手に驚いた少年は、お姉さんが大事に持ってたキューブを持って出ていってしまう。手癖の悪いガキである。
その夜、少年が持ち出したキューブが割れて、そこから巨大怪獣が登場。それを抑えるためにお姉さんは巨大な怪人へと変身して応戦。
この怪獣シーンは良かった!
夜のビル街で戦う怪獣と怪人。それぞれ電飾パーツを付けているので、夜景に映える。迫力あるビルの倒壊や浸水シーン!
前作【海鳴りのときに】と比べて、あからさまに予算が潤沢になったと感じます。どうやらクラウドファンディングで150万円の目標に対して、250万円を達した模様。相変わらず話はつまらないが、特撮シーンが格段にすごくなっている!
資金の使い道(クラウドファンディングサイトより)
・怪獣着ぐるみ費(400,000円)
・ミニチュア費(100,000円)
・美術費(100,000円)
・撮影場所費(200,000円)
・交通費(100,000円)
・出演料(400,000円)
・機材費(100,000円)
・CG、その他サブスクリプション等(50,000円)
・雑費(50,000円)
お姉さん怪人と巨大怪獣が戦う中、地上では少年が謎の能力を発現させます。母親のいる部屋の光景を見ることが出来るようになった少年。
母親は、家出した少年を想い泣いています。ふと母がカーテンを開くと…
街の外は怪獣に破壊されて、あたり一面火の海に。
気づくの遅いな(笑)
少年は屋上へとあがり、巨大お姉さん怪人と一心同体になって怪獣とバトル。
戦いの後は、街は戻っていた。あの夜は幻だったのか?というお話でした。
前述したとおり特撮シーンのレベルは高く、お姉さんとの脳内会話などは今までの特撮でみたことのないカットもあっておもしろい。怪獣もオリジナル感があっていい。
最後に会場で撮らせて頂いたお姉さんの怪人形態。電飾の光なしで見ると、赤色のパンティを履いているみたいだ・・・お姉さん怪人だから、そういうモチーフにしているのかな?
既にクオリティの高い特撮シーンを撮影する腕をお持ちの佐藤高成監督!これからの特撮界での活躍に期待!
おしまい
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