【立ち消え線香】落語で学ぶ、恋愛指南【後編】

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恋愛映画を取り扱ったことのないブログ、その名はえいの映画ブログ!

なかなか観に行くのはハードルが高い…

というわけで恋愛映画を観ることなく、今回は恋愛の指南を友人くんにしてもらおうとおもいます

友人くん
後編を読むのは、前編を読んでからお願いしたく!

  

前編記事はこちら




  

立ち切れ線香

手紙

ー 若旦那の閉じ込められた蔵

語り部
蔵に閉じ込められた 若旦那の家に一通の手紙が届くのでありました
番頭
ん?お茶屋から若旦那に?
番頭
例の芸妓からだな
番頭
しかし若旦那は蔵の中で反省させているからな
番頭
あの野郎に手紙を渡すわけにはいかんな
語り部
しかし手紙は1日で終わらず
語り部
次の日、そしてまた次の日も若旦那の家に手紙が届くのでありました
語り部
若旦那への手紙は毎日届き、どんどんと増えていきます
番頭
毎日毎日律儀だな
番頭
しかし芸妓なんて脈がないとわかればさっさと違う客に乗り換えるもんだろう
番頭
さーて、いつまで続くかねぇ

語り部
しかし手紙はやむことなく続くのでありました
語り部
一日に何通も届くこともあり、その数は数十日の間にどんどん増えていったのであります

  

ー若旦那が蔵に閉じ込められて80日

語り部
ようやく手紙はぴたりと来なくなったのでありました
番頭
おっ、ついに例の手紙はこなくなったな
番頭
ついにあきらめやがったか
番頭
もしかすると100日続くと思ったが、やはり芸子なんかそんなもんだな

  

ー若旦那が蔵に閉じ込められて100日

語り部
ついに100日目
語り部
若旦那が蔵から出てくる日となりました
若旦那
よう!久しぶりだな
番頭
若旦那!よく100日もの間辛抱してくれましたなあ
番頭
使用人の分際で暴言を履いたりや暴力をふるったりしたこと、どうぞお許しくださいませ
若旦那
まあ、あれは俺が悪かった。つくづく反省したぜ
若旦那
これからは芸者遊びもやめて立派な跡継ぎになるためにしっかり勉強するぜ
番頭
いやいや、程々であればやめることはありませんよ
番頭
ああ、そういえばずっと芸妓から手紙が来てましたよ
番頭
途中からこなくなりましたがね
番頭
心移りでもしちまったんでしょう
番頭
これが最後に来た手紙です

若旦那へ

『若旦那へ』
『若旦那がこの手紙を読むころには私はもう…』

 

若旦那
‥‥え?
若旦那
達郎!心を入れ替えたから近くの神社でちょっくら祈ってくるぜ!
若旦那
(しまった‥‥)
若旦那
(蔵に入れられる前日、あの娘と芝居を見に行く約束をしてたんだ…)
若旦那
(すまねえ…)

 




  

再会

ーお茶屋

若旦那
よお!
若旦那
あの娘に会わせてくんねぇか!
茶屋の男
若旦那…
茶屋の男
お久しぶりでごぜぇやす
茶屋の男
是非会ってあげてくだせぇ…
茶屋の男
さあ、こっちです…
若旦那
・・・
若旦那
・・・
若旦那
!!!

  

茶屋の男
あの娘は亡くなっちまいやした…
茶屋の男
ちょうど20日前でさぁ…
若旦那
どうしてだ!
若旦那
どうして死んじまったんだ!
茶屋の男
・・・・・・どうして??
茶屋の男
そりゃあ、あんたが殺したようなもんでさぁ!
若旦那
!!??
茶屋の男
あの娘は若旦那とお芝居に行くのをそりゃあ楽しみにしてたんで
茶屋の男
その日はうんとめかしこんでけなげに待ってたのに…
茶屋の男
それなのに若旦那…
茶屋の男
あんたは来なかった

———————

茶屋の芸妓
若旦那・・・

———————

茶屋の男
次の日、来なかった若旦那に何かあったのかと心配したあの娘は手紙を書きやした
茶屋の男
次の日もその次の日も
茶屋の男
本当は芸妓から手紙を出すなんてよくねぇんですが、あの娘があまりに健気なもんで私も黙認してたんでさぁ…
茶屋の男
そんな日が何十日もたった頃、心労がたたったのか体調を崩してしまいやした。。
茶屋の男
それでも毎日手紙は書き続けていましたよ。。
茶屋の男
亡くなるその日まで…
茶屋の男
そしていよいよ衰弱した20日前、あの娘は言いやした

———————

茶屋の芸妓
三味線を……三味線を最後に弾きたい……
茶屋の男
おめぇ・・・
語り部
自分の死期を悟ったかのように、若旦那にその音が届くことを祈るかのように、彼女は三味線を弾くのでした

♪♪♪

茶屋の芸妓
若旦那に…
茶屋の芸妓
会いたい…

———————

茶屋の男
それが彼女の最期の言葉になりやした……
若旦那
・・・
若旦那
ううう・・・・
若旦那
すまねえ・・・・すまねえ・・・・
茶屋の男
それにしても若旦那、どうしてこんなに長ぇ間来てくれなかったんですかい?
若旦那
…実は…こういう理由があってな…
茶屋の男
茶屋の男
茶屋の男
そう、ずっと蔵の中に……
茶屋の男
それで手紙も届かなかったんですかい……
若旦那
ああ…俺はもう結婚しねぇよ…一生あの娘のことを想って生きていくよ
若旦那
うう・・・うう・・・
語り部
失意に打ちひしがれる若旦那
語り部
するとどうしたことでしょうか
語り部
どこからともなく懐かしい音色が聞こえてくるではありませんか

  

♪♪♪

  

若旦那
ん…なんだ?何か音が聞こえてくるぞ?
茶屋の男
仏壇の方からですな
若旦那
・・・
若旦那
・・・
若旦那
こりゃぁ…
若旦那
三味線じゃねえか!あの娘の三味線がひとりでに鳴ってるじゃねえか!!
茶屋の男
あの娘が…あの娘が若旦那が来てくれて喜んでいるんですぜ!
若旦那
おお…
若旦那
なんて奇跡なんだ…
若旦那
俺を許してくれるのか…
若旦那
ありがとう…

♪♪♪

♪♪

・・・

シーン

若旦那
あれ?
若旦那
音が止まったぞ…?
若旦那
どうしたんだよ、もっと聞かせてくれよ
茶屋の男
・・・!
茶屋の男
若旦那!!これはもう三味線は鳴りませんぜ
若旦那
え、それはどういうことだ?
茶屋の男
仏壇のお線香が立ち切れになってしまったんでさ

どっとはらい(おしまい)

 




  

今回の結論

友人くん
落語は面白い
えい
恋愛指南は?

 

おしまい

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